- 地縁団体の設立認可に必要な4つの要件
- <前提>
- 自治会、町内会等の団体が、現に不動産又は不動産に関する権利等を保有しているか、保有の予定があることが認可の前提になります。
- <目的について>
- その区域の住民相互の連絡、環境整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現に活動を行っていること。活動内容が特定分野のみの団体は該当しません。現にその活動を行っていると証明するものは、前年度の活動実績報告書等が該当します。社会福祉団体、スポーツ団体等は、活動が特定分野であり、該当しません。規約にも活動内容が具体的に記載されている必要があります。
- <区域について>
- 団体の区域が住民にとって客観的に明らかに定められていること。
- 一般市民にとって客観的に明らかな形で境界が画され、規約に明記されていること。地番や住居表示により区域を表示するほか、一般市民にとって客観的に明らかな区域と認識できる場合には、道路や河川等により区域を画すこともできます。
- <構成員について>
- 当該団体の区域に住所を有するすべての個人は、構成員になることができ、その相当数の者が現に構成員となっていること。相当数とは、概ね過半数が目安とされます。但し、設立実績を確認しますと、これに当てはまらない例も多数あります。
- 区域に住所を有するすべての個人が、構成員になれる旨が規約に定められていること。その相当数が現に構成員になっていることが、構成員名簿により確認できること。すべての個人とは、「年齢、性別等を問わず区域に住所を有する個人すべて」を意味します。入会、退会に際しては、いかなる意味でも本人の意思に制約を加えることは認められません。
- <規約について>
- 規約を定めて団体の名称や目的などを対外的に明らかにし、組織の管理運営方法を明確することが必要です。
- 規約には、以下の8項目については必ず定めなければなりませんが、それ以外の事項を定めることは差し支えありません。
- 「規約例」①目的②名称③区域④主たる事務所の所在地⑤構成員の資格に関する事項⑥代表者に関する事項⑦総会に関する事項⑧資産に関する事項 ほか
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- 2 認可申請の方法
- (1) 団体の代表者が認可の申請書類を揃えて市長に対し認可を申請します。
- (2) 申請に必要な事項は、総会において決定しておくことが必要です。理事会や役員会等の決定ではいけません。①法人格認可を申請する旨の決定②認可要件に合致する規約の決定③代表者の決定④不動産等資産の確定又は取得の決定
- (3) 申請に必要な書類
- ① 認可申請書
- ②申請する団体の規約(別添参照)
- ③認可を申請することについて総会で議決したことを証する議事録の写し(議長及び議事録署名人の署名、押印のあるもの)
- ④構成員の名簿
- ⑤保有資産目録 若しくは
- ⑥保有予定資産目録
- なお、保有予定資産目録の資産の「取得予定時期」は、認可申請年月日とできるだけ接近していることが望ましく、特段の事情がなければ認可申請の日から数ヶ月以内とします。
- ⑦前年度の事業活動報告など、活動を現に行っていることを記載した書類
- ⑧申請者が代表者であることを証する書類イ 申請者を代表者に選出する旨の議決を行った総会の議事録の写しで、議長及び議事録署名人の署名、押印のあるもの。ロ 申請者が代表者になることを受託した旨の承諾書等の写しで申請者本人の署名、押印のあるもの。
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- 3 認可後の取り扱い
- (1) 団体名義で資産の登記ができます。
- (2)認可を受けた後、(旧)自治会の財産を(新)自治会の名義へ変更する際(無償譲渡)発生する譲渡所得については課税されません。
- (3)自治会で収益事業を始める場合には、法人税等が課税されます。
- (4) 認可を受けた後、告示事項に変更があった場合は、変更届出書の提出が必要です。
- (5) 「〇〇自治会之印」などのように、団体の印鑑登録ができます。